Profile

CRCとは
キャトルリサーチセンター 代表
小岩政照

第50回 宇都宮賞 酪農指導の部 受賞

功 績

 昭和50年に酪農学園大学獣医学科を卒業、同大学内科学教室の助手として従事した後、昭和55年に千歳市農業共済組合で家畜臨床獣医師としてキャリアをスタート、広域合併後の石狩地区農業共済組合の江別診療所所長、北部統括所長など、15年にわたり家畜診療の最前線においてチームリーダーとして活躍した。
 平成7年に母校酪農学園大学の附属家畜病院の助教授に就任、臨床現場で培った豊富な経験や知識、技術を基に、再び研究教育活動の道を歩み始め、同病院教授、副病院長、附属農場長、フィールド教育センター副センター長など要職を歴任し、酪農学園創立者である黒澤酉蔵翁の「三愛精神」「健土建民」の教えの下に、常に酪農家のためにという基本姿勢で一貫して教育研究に取り組んできた。
 この間、子牛の下痢症、肺炎、免疫機能の臨床評価、内視鏡による中耳炎の診断•治療、内科疾病に対するアミノ酸療法、カビ毒(マイコトキシン)の予防、肝臓病及び乳熱の予防•治療など、酪農経営に甚大な損失をもたらす疾病の診断•治療及び予防法の研究、技術開発に大きな功績を上げるとともに、臨床現場において自ら実践しており、これら一連の研究成果により農林水産大臣賞や産業動物中医学会会長賞等を多数受賞している。
 教育者としては、より多くの優秀な獣医師を送り出すため、診察に際しては学生を伴って最新の臨床技術を学ばせながら経験を積ませ、指導を受けた多くの卒業生が全国各地の臨床現場において活躍している。実践的な技術や指導力に対する評価、信頼は極めて高いものがあり、全国各地で研修会などの講師を務めるとともに、数多くの専門書、酪農関係書籍の監修•執筆を手がけるなど、わが国の酪農業界全体への貢献は高く評価されている。
 卓越した診療技術のみならず、酪農への熱い思いや酪農家に寄り添う姿勢などによって、全道の酪農家から絶大な信頼を得ており、分かりやすく丁寧な指導を受けた多くの酪農家が、飼養管理や疾病予防技術の改善•向上等に成果をあげている。また、全日本ホルスタイン共進会において、2回連続して北海道のチームドクターを務めるとともに、全道や市町村レベルの乳牛共進会において出品牛の健康管理や診療に携わるなど、地域への貢献にも極めて大きなものがあり、こうした取り組みは高く評価される。
(平成29年度第50回宇都宮賞式次第より一部抜粋)

Profile

出身地 北海道天塩中川町
現 職 酪農学園大学獣医学群獣医学類 生産動物医療分野(内科Ⅱ)教授
1975年3月 酪農学園大学獣医学科卒業
1975年4月 酪農学園大学 獣医学科内科学教室助手
1980年4月 千歳農業共済組合 診療係長
1993年4月 石狩農業共済組合 江別診療所長
1995年4月 石狩農業共済組合 北部統括所長
1995年9月 酪農学園大学 附属家畜病院 助教授
1999年4月 酪農学園大学 附属家畜病院 教授
2004年4月 酪農学園大学 獣医学部 教授(副病院長)
2011年7月 酪農学園大学 附属農場 農場次長
2013年4月 酪農学園大学 附属農場 農場長
2014年4月 酪農学園大学 フィールド教育研究センター副センター長(〜2015年3月)
2017年 第50回宇都宮賞 酪農指導の部 受賞
現 在 キャトルリサーチセンター 代表
学 位 獣医学博士 酪農学園大学「乳牛の脂肪肝の病体,治療,予防に関する研究」
現学会等役職 北海道獣医師会学会幹事
北海道家畜アミノ酸研究会会長
主な研究内容 「子牛の下痢症•肺炎の病態,治療,予防」
「子牛の免疫機能の臨床評価」
「内視鏡による子牛の中耳炎の診断,治療」
「子牛の内科疾病に対するアミノ酸療法」
「乳牛のカビ毒(マイコトキシン)の影響,予防」
「乳牛の肝臓病の治療,予防」
「乳熱の治療,予防」